ぼくの浅草案内

大降りではないが外に出る気を失わせる程度には雨が降っている。コーヒーを淹れて貰い物のバームクーヘンで朝にする。昼も家の有り合わせで済ます。

夕刻、雨が上がった。自転車で月いちのかかりつけ医に。薬局に寄って薬を出してもらい、一旦帰宅。

古今亭志ん輔さんのブログを覗いたら、浅草のひさご通りの蕎麦屋に行った話が出ている。ふと思い立って、小沢昭一さんの『ぼくの浅草案内』を取り出した。蕎麦好きの小沢さんだが、この蕎麦屋は出ていない。

しかし、改めて本書のページをめくると、かつて開いた時とは違う感興がある。コロナ以後、毎日のように浅草を歩くようになったからだろう。以前は、完全に外からの視線で浅草を見ていた。

本の中で小沢さんが一軒の銭湯を紹介している。浅草界隈には今でも銭湯がいくつか残っているが、小沢さんがこの本を書いた頃は、もっとずっと多くの銭湯が盛業中だったことだろう。

絵地図が示す銭湯の場所は、裏浅草のいつもの私の散歩道のあたりだ。へえ、どこだろう、まだ残っているのかな、と、銭湯の名前と場所を見比べると、おや、これは私が行きつけにしている銭湯ではないか。今は横文字を混ぜた名前にしているが、同じ漢字を使っているので、間違いないだろう。

夜の散歩に。隅田川テラスから白鬚橋を渡って、石浜神社に。

橋場不動尊を横目に通り過ぎて、橋場から清川、アサヒ会通りに。

玉姫稲荷神社に寄った。白猫が境内を横切った。

土手通りから千束通りに入った。写真の喫茶店は『ぼくの浅草案内』に出てくるが、何年か前に一度入ったことがあるはずだ。

下の大学芋屋も本書に出てくるが、もう店を閉めたらしい。残念。

件の銭湯に。

私の通う銭湯が、小沢さんもお気に入りだったと知って嬉しい。小沢さんの訪れた頃から建物は替わっているだろうが、深夜まで湯舟にお湯を溢れさせている様子は、小沢さんが書いているまま、今も変わらない。

湯上がり。先日の「火の用心」の暖簾が外されて、店の名前の入った元の暖簾に戻っていた。11,481歩。