結果論だが、こんなに天気が持つのならもう少し早起きして洗濯物をいくらかでも片付けておけばよかった。朝は家の有り合わせで済ませて、昼は毎度の鯖塩焼き定食。
夕刻、区内の南端をぶらぶらと歩いて、初めての銭湯に入る。
水風呂が程よく冷えていた。水温計の目視では20℃だが、銭湯でこれだけ冷えていれば有難い。朝から冷却機を動かさないとこの温度にはならないのだそうだ。夏場は常温だと30℃以上になるとか。そんな話を聞くと、余計に水風呂の有難味が増す。
本当は、こんな明るいうちから銭湯に入っていることに多少の罪悪感がなくもないのだけど、日が長くなっているんだから仕方ないでしょう。
森下の開座、三ヶ月ぶりのアトリエ公演に。しばらく来ないうちに、部屋の中がずいぶん片付いて、広々としている。前は他人の家の押入の中を覗き込むような感じだったのに。
「付加体」と題された今回の公演は、三部構成というのか、まずアオモリさんの踊りに、渡部みかさんがキーボードの前で演奏と歌(ボイスパフォーマンスというべきか)、続いて渡辺さんの踊り、最後に岡庭秀之さんの踊りに渡辺さんの演奏。通しで伊藤啓太さんのコントラバス。
開座で渡部みかさんに会うたび、張力を漲らせた人という印象がある。踊りの場ではない、公演後の打ち上げの席でもそう。ひょっとすると彼女は、常に気を抜けない危険物を内側に抱えていて、普段はそれを外から抑え込むことで、辛うじて暴発を免れているのではないか。彼女の静かな笑みからは、そんなぎりぎりの均衡を感じ取ってしまう。
それが、踊りの場では、踊りを通じて、彼女の内側が外側を簒奪し、反転するようだ。その危うい反転は岡庭さんという先達に導かれて起こるのだろう。
今日は飲まずに帰った。10,801歩。