声にならない声

巣ごもり日。最近朝の散歩に出られていない。この季節は日が短いのだから、朝外に出ないと、一日太陽の光に当たらないことになる。気が滅入るのもそのせいだろうか。辛うじてゴミ出しだけする。

朝昼は食事とも言えないもので済ませる。暗くなってから散歩に。Tシャツの上にパーカーだけではさすがに寒そうなので、その間に長袖のTシャツを着た。今シーズン初。

桜橋の上で撮影をしていた。足早に通り過ぎたので何の撮影か、誰かタレントでもいたのかなどはよくわからない。

隅田川を渡って、待乳山あたり。散歩の途中に寄っていける喫茶店等があるといいなと思うけれど、18時台でも、すでに閉めている店が多い。モーニングとランチで商売をしているのだろう。

結局言問通りのほうまで歩いて、初めての喫茶店に入った。遅くまで開けている店らしい。スマホの画面で米大統領選挙の得票グラフを表示させていたら、店員のお兄さんに、ずっとこのグラフ動かないですね、と声をかけられた。食後のコーヒーを飲み終わって、日刊ゲンダイを読みふけっていたら、お兄さんからマスクをつけるように言われた。それをしおに、店を出ることにした。

浅草界隈をぶらぶら歩いて、西浅草あたりまで足を延ばした。

結局いつもの銭湯に。変わり湯はゆず湯。湯舟に浸かって、ふー、とか、あー、とか、ひたすら声にならない声を出す。

散歩道沿いの店先に猫が座っている。

ポテトサラダでビールを飲んでいたら、革細工の体験をさせてくれた。この店のおかみさんのお父さんが革細工の職人さんと聞いたことがある。その関係なのだろう、A-roundに参加しているらしい。トンカチを握って名前のイニシャルを打った。

さすがに週末の夜で、結構客が入っている。カウンター席ならマスターが話し相手になってくれるのだろうが、テーブル席に深く腰を下ろして、生ハイボールの杯を重ねる。店内のテレビでNetflixの世界の食のドキュメンタリーみたいな番組を流していて、ぶつぶつと画面を話し相手にする。こういうおじさんになってきた。

お酒が回るにつれて、少しずつ気持ちがほぐれていくようだ。コロナ以降、ただでさえお酒を飲む機会が減ったうえに、なるべく一人ではお酒を飲まないようにしていた。それも少しずつ解禁してもいいかなという気分。

1万歩歩いたらお酒を飲んでいいことにしよう。12,952歩。