挽回

昨晩から一転、いい天気。早々に寝床から起き出して、朝の散歩に。

一昨日も早出して、同じような時間に同じような場所を歩いているはずだけれど、目に映る景色がずいぶん違う。

昨日までの雲が明けていく空から次第に消えていく。朝焼けの光が消え残った雲を照らして美しい。

楽天地スパに60分コースで入館。

炭酸泉に入ると、浴室に射し込む朝日を全身に浴びるようである。これだけ光に満たされる体験もまたとないものだと思う。

水風呂の水は、緑茶風呂の名残りの緑色だった。一時間で退館。

四ツ目通りを歩いて、業平のあたりで横道にそれた。本所税務署を横目に歩き、浅草通りに入って、大横川親水公園を過ぎたあたりで北十間川を渡った。川の北側を最近はミズマチというらしいが、私にはあまり縁はなさそうだ。相撲部屋から朝稽古の声が聞こえた。

見番通りから墨堤通りに入り、コンビニに寄って朝飯を買って帰った。ここまでで一万歩。

昼は抜け出して二階の食堂の日替わり。自家製ヤンニョムを使ったチキンソテー、チーズのせ。

夕刻、所用。その後、夜の散歩に。

桜橋を渡って、山谷掘公園から日本堤、いろは会商店街のあたりまで来た。

シャッターを閉めた店先にテントがいくつか張られている。しばらく前までこの商店街にはアーケードがあったそうだが、老朽化その他の理由で取り壊したらしい。私がこのあたりまで散歩の足を伸ばすようになったのは、たかが去年のことだから、とっくにアーケードはなかった。このテントの住人は、かつてはアーケードの下で雨風をしのいでいたのだろう。

人気のない商店街で十数名の行列に出くわしたが、あるいはテントの住人だったのか。

吉原の周りを歩くような格好になった。明かりを点けている店もそれなりにあるようだが、街を外側から覗く限りは、客や客引きの姿は伺えない。それでも客の送迎なのか、タクシーが何台も出入りしている。

千束通りに出て、馴染みの銭湯に。こちらは、500円出せばお釣りがくるほうの浴場なので念のため。

水風呂の壁に「黙浴」の注意書きが貼られている。手書きの「黙」の字を見るでもなく見ながら、この字のパーツの分け方を少しずらすと、「黒犬」になるなと思う。そうか、「黙(モク)」の音は「黒(コク)」から来ているのだったか。

もっとも、「黙」は旧字体では「默」だから、まんま黒犬である。

いつか黒犬を飼う機会があったら、名前は「モク」にしようと思った。

湯上がりは、いつもの散歩道をまっすぐ歩いた。近所のスーパーに寄った帰り、黒犬ならぬ白猫と出くわす。

22,840歩。連続一万歩はいったん昨日で途切れたけれど、今日は一日で二日分歩いて、昨日歩けなかった分を挽回した。