川面

まずまず早く出られたが、もうすっかり空は明るくなっている。夜のうちに雨が通りすぎていたようだ。

桜橋のたもとの石段に腰かけて、川面を眺めている人がいる。近くに停めた自転車の籠に朝刊が入っている。新聞配達員なのだろう。ペットボトルの飲み物を口にした。朝刊の配達を終えてひと息、というところか。

隅田川を渡って、裏浅草のいつもの散歩道を千束、入谷、鶯谷と歩く。

雨露を残した植木の花が朝の光を受けて美しい。

根岸の萩の湯に来た。これで日曜朝は三週連続。

洗い場の鏡の間や、浴室の壁に見慣れない絵が掛かっている。前からあったかな。銭湯にありがちな風景画の類ではないが、入浴を邪魔しない程度に目を楽しませてくれて、なかなか好ましい。

各種の風呂に入ったり出たりしているうちに、2時間程はあっという間に経った。

湯上がりは、これも先週に続いて、卵屋さんのやっているカフェに。茹で卵がたっぷり入ったサンドイッチで朝飯にした。

アイスコーヒーを飲みながらラジオの落語番組を聞く。今日は笑福亭鶴光さんの「木津の勘助」。まくらで鶴光さんは、隅田川を見ていた老夫婦の小噺を入れた。当方も隅田川を見てきたところだから、なんとなく嬉しい。一方、木津勘助は大坂の侠客で、噺の舞台はかつての大坂だし、そもそもこの公開録音の会場も大阪である。大阪の聴衆は隅田川の地名にどう思うのだろう、ここは淀川では駄目なのかな、と細かいことが気になる。鶴光さんは、長い間もっぱら東京の定席に出演しているから、隅田川のほうが使い慣れているのかも知れないけど。

来た道を引き返して、今日は少し元気が残っているので、山谷近くの寺町を歩いた。お花を持って歩く人とすれ違うのは、そういう時期なのか、たまたまか。先日志ん輔さんの配信で聞いた「お見立て」を思い出す。

「お見立て」に出てくる山谷の寺は禅寺だというので、スマホの地図でこのあたりの禅宗の寺を探してみた。旦那が連れてこられたのは、このお寺だろうか。仁王様に睨まれながら、おずおずと門の中に入ってみると、禅寺には似つかわしくないような若い女性が出ていくのとすれ違った。

一旦帰宅して、郵便局にレターパックを取りに行く。ネットであれこれ依頼するより、本局が近いから直接取りに行ったほうが手っ取り早い。時代に逆行しているようだが、やむを得ない。

戻って少々昼寝。起き出して再び桜橋で隅田川を渡る。

通り沿いの店でクロワッサンを二種購入してから、裏浅草の馴染みの店で昼食。今日は夏野菜のカレーにした。

店を出て浅草辺をぶらぶら歩く。いつもの銭湯に寄ってから帰宅。

24,944歩。